2008/02/06

それはペイド・インクルージョン(Paid Inclusion)ではない

livedoor ディレクターBlog に「モバイル検索の裏側」というエントリーが掲載された。ジェイ・リスティングの山田という方が「ケータイlivedoor」のモバイル検索について語っている。モバイル検索におけるディレクトリ型検索エンジンの有効性を説明し、
登録サイトをロボット型検索エンジンのクローリングの基点にすると共に、登録サイトが優先的に表示されるようなアルゴリズムを組むことにより、検索結果の精度を向上させる取り組みが成されています。
と紹介している。つまり、もし仮にケータイlivedoor でのSEO を検討する際にはまずディレクトリ登録(≒Jリスティング社の「Jエントリーモバイル」)から、という話だ。



さて、明らかな間違いが次の「モバイル検索連動型広告について」の章に含まれている。いささか長くなるが、当該部分を引用する。
モバイルにおいてはロボット型検索エンジンのみの場合、前述の要因の影響で検索結果として不十分なものになる可能性が高い状況です。そこに対する解決策として利用されているのが、ジェイ・リスティングの検索連動型広告であり、ペイドインクルージョンという手法です。

ジェイ・リスティングの検索連動型広告では、事前にクライアントが購入するキーワードとそのサイトの関連性を審査しています。その審査を経た広告を検索結果の上位に混ぜ込むことで、検索ワードと関連性が高い検索結果としての広告を提供することに繋がっています。(強調は筆者)
うーん……。ペイド・インクルージョン(Paid Inclusion。Pay for Inclusion、略してPFI ともいう)とは、クローラーによるデータ取得が難しいサイト(例えばCGI を用いたECサイト)などを対象に、有償でWeb ページのデータを検索エンジンのインデックスへ格納するサービスを指す。山田氏が書くような「PCの世界においてはタブー視されている手法」ではなく、クローラーの性能が低かった時代にはそれなりの意味を持つサービスであった。ただし、必ずしも検索結果における上位表示を保証するものではない、という点を認識しておきたい。クローラーの性能があがり、かつ、まっとうなSEO の知識に基づく検索エンジンフレンドリーなサイト構築が普及してきた昨今ではほとんど顧みられることがなくなりつつあるプログラムといってよい。

ということで、上記のように「広告を検索結果の上位に混ぜ込む」というのはペイド・インクルージョンとは本来関係がない。混ぜ込む先はインデックスであるべきで、検索結果へダイレクトに「混ぜ込む」のはまた別の話だ(要は中国における百度の検索結果などと同一、という理解でよいだろうか?)。それはモバイルであっても「タブー視される手法」だろうと考えられるし、広告は広告として判別可能な形で掲載するのがのぞましいのではないだろうか。

意図的に話を混同させているのであればたちが悪いが、心からそう思い込んで書いている可能性もあって判断しがたい。思い込みで書いてしまったのであれば、早期に訂正されることをおすすめする。検索結果ページの表示形式についても(筆者の理解したような手法であるならば)再考されるべきかと思う。

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3 Comments:

Anonymous straight_no_chaser said...

kuroyagiさま

ご指摘ありがとうございます。
当のブログの本人ではないですが、そのような認識を植え付けたものとして、お詫び申し上げます。

言葉の意味ではおっしゃるとおりです。
間違いを流布するかたちで申し訳ございませんでした。

ただし、このような用法を用いていることには以下の経緯がありました。

FTCの勧告が出された2002年中頃のペイド・インクルージョン・サービスのほとんどは「boost」という名称で、金額が支払われたリンクを上位表示させる形式を取っておりました。
また、課金形式として、ペイド・インクルージョンとPPCを組み合わせるサービスも現れており、上記のようなboostに拍車がかかっていたように記憶しています。

一方で、OvertureやGoogleのようなペイド・プレイスメントの事業者は早々に広告の切り分け表示を実現していたため、当時の関連事業者の間で、ペイド・プレイスメントを「広告と検索結果を切り分けた手法」、ペイド・インクルージョンを「検索結果内に広告を混ぜる手法」と慣用的に呼ぶように到ったという経緯だったように記憶しております。

ともあれ、ご指摘ありがとうございました。

2008年2月12日 19:35  
Blogger kuroyagi said...

straight_no_chaser様

コメントありがとうございます。FTC の勧告、って懐かしいですね。

ちなみにその件に関するDunny Sullivan の解説記事(力作。SEW でバリバリやってた頃ですね)なんかを見ても、ペイド・インクルージョンは通常検索のインデックスへの格納(上位掲載を保証せず)と定義した上で、どう開示すべきかという議論になっていたのではないかと思います。ただし、おっしゃるとおり広告を混ぜ込む手法を「慣用的に」ペイド・インクルージョンと呼んだ時期もあったかもしれません。

現在はAdMob の日本進出に参画されているんですね。端末のターゲティングなど、独自性のあるサービスということで注目しています。機会があれば情報交換などさせていただければ幸いです。今後ともご指導よろしくお願いいたします。

2008年2月13日 8:56  
Anonymous straight_no_chaser said...

ご指導などとはとんでもないです。
こちらこそ、一度お話しお聞きしたいと願っております。

ご指摘の広告を混ぜ込む手法の問題点も分かってはいるのですが、以下のような要素から、現状仕方なくの面がございます。

まず、モバイルの場合、コンテンツの充実と自然なリンク形成よりも先にSEO等の手法が普及しすぎてしまっており、Googleさんの技術を以てしても、下記URLのような現象が起こる状況です。

http://ameblo.jp/net-analist/entry-10068827942.html

これでは、コントロールできない点で、自社の広告を混入させるよりも、品質を低下させる可能性がございます。

もう一点、下記URLのような広告表示手法がモバイル事業者間では一般的になっているため、収益性で競争力を保ちながら、関連性の低い広告を出すという一線を越えたくないという意図から、ご指摘の手法を採っているという点もございました。

http://ameblo.jp/net-analist/entry-10031208088.html

# 他人の褌を借りるようで恐縮ですが、この場合、第三者ソースの方がよいと思われますので。

また、携帯ウェブの世界は語弊がありますが、怪しい広告が蔓延しすぎているためか、[PR]等の表示を行うと必要以上にクリックが忌避されるという点もございました。

いずれにしても、今後、改善点として、ジェイ・リスティング、ライブドアのスタッフで取り組んでいってもらえるものと期待しております。

AdMobに関しては、消費と広告の関係のもう少し広い領域にアプローチできるのではないかと個人的に期待しており、ジョインした経緯です。

是非、情報交換させていただきたいと考えておりますので、ご連絡いただけましたら幸いです。

yohei at admob.com

2008年2月13日 9:34  

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