2006/08/31

SES 存亡の危機?



SEM 業界の大立者、Danny Sullivan 氏がまもなくSearch Engine Watch (SEW) およびSearch Engine Strategies (SES) の運営から離れる、とのこと(*経由:水道橋SmallCafe)。氏のブログによれば、SEW については11月末日まで執筆・編集作業をつづけ、SES に関しては12月のSES Chicagoまで運営に携わるそうだ。

Search Engine Watch はSEM関係の情報サイトとして圧倒的な記事量を誇る老舗サイトだが、Chris Sherman 氏など他の優秀なスタッフは残るようだし、また仮に運営が停滞したとしても、補完する情報サイトは他にいくつか存在する。しかし……

Search Engine Strategies に関しては、今回のSullivan 氏の離脱がそうとうな痛手となりそうな予感。このカンファレンスにおいては、キーノートの人選や講演順から、トラックのテーマまで彼がリーダーシップを発揮して(ある種、独断的に)決めていたと聞く。決して安くはない料金を払って参加する聴衆に対し、常に満足感を与えつづけてこられたのは、彼の手腕によるところが大きいのではないか。業界全体の動向を理解する力と、各社間を調整する手腕の両方を兼ね備えた存在は、余人をもって代え難いように思う。

#SES Tokyo が毎度モメたり消化不良に終わるのは、
#展示会テイストが強く、企業側からの協賛金に頼った運営姿勢も問題とはいえ、
#Sullivan 氏のような人間がいないことも一因では?

ちなみに写真は、2003年8月に行われたSearch Engine Strategies (San Jose) で来場者に配布されたTシャツ。左袖にはSEW のロゴが入っている。ちなみに背面は、このカンファレンスの直後(2003年11月)にAOLに買収された音声/動画検索のsingingfish 。

現在、NY やSan Jose のように大規模な会場では5トラックが走るようだが、2003年当時は3トラックで運営されており、しかもその区分は「organic / advertising / special topics」というシンプルなものだった(参考:タイムスケジュール)。今でこそ、米国内で行われるSES にも毎回数十名の日本人が参加するようだが、SES 2003 San Jose の会場にいた日本人はわずか5人だったはず。隔世の感がある。

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