2008/09/27

アドパートナーの審査を通過

Yahoo! JAPAN の広告配信プログラム「アドパートナー」の利用登録を行ったところ、本サイト(SEM酒場)がめでたくサイト審査を通過した。これで落とされたらそれはそれでネタとして面白いかも、などと思っていたのだが。

アドパートナー管理画面トップ

9月の3連休(13日〜15日)にアドパートナーの利用者登録とサイト登録を行い、「テスト配信完了のお知らせ」が届いたのは18日のこと。広告のテスト配信が完了してから行われるサイトの審査には「2週間程度かかりますのでご了承ください」と書かれていたのだが、翌19日には「審査結果のお知らせ」が到着した。

Yahoo!ウェブオーナーセンター アドパートナーをご利用いただきありがとうございます。

お客様のサイトを審査させていただいた結果、対象範囲が審査基準を満たしていましたので合格と判定いたしました。

サイトのURL:
http://sem-bar.blogspot.com/


4営業日で登録から審査まで完了しており、意外にスムーズ。

テスト配信のあいだ右メニューの一番下に表示していたアドパートナーの広告枠を、今回の審査通過を機に、中ほどに引き上げてみた。個別エントリーページの本文を読み終わるあたりで目に入る、という形を狙っている。本気で収益を狙いに行くのであれば同じメニューでも一番上とか、メインコンテンツ領域の上下に配置すべきだと思うが、現時点ではもろもろの確認という意味合いもあり、この形にした。今のところ社会貢献広告がほとんどのようで、クリックも発生していないが、今後、様子を見ながら手を入れてゆく予定。

アドパートナー雑感

冒頭の画像がアドパートナーの管理メニュー(いわゆる管理画面)トップ。Google AdSense の管理画面と比較すると、全体的に余白が広めにとられている印象がある。メニューとしては「配信レポート」「報酬レポート」「広告設定」「サイト管理」「登録情報管理」があり、いずれも特にわかりにくい点はない。ただ、ヘルプの内容が「わからないことを解決する」ためのものにとどまっていて、より多くの収益を上げるためのヒントまで踏み込めていないのは今後の改善課題か。

*このあたり、先行するAdSense のヘルプはさすがに充実している。例えば「Google 広告はページのどの位置に掲載すればよいでしょうか?」など。

また、「広告設定」で選択できる広告のフォーマットが3パターンしかないというのは(当初バナー広告の配信からスタートした都合上、クライアントに多くのクリエイティブを用意してもらうのが難しいという理由はあったにせよ)広告を掲載する側としてはありがたくない。今後、インタレストマッチの配信が本格化し、テキスト広告が中心になればパターンは増えてゆくものと予想される。

2008/09/15

いえ、SES Tokyo です。

Yahoo! JAPAN で「SES Tokyo」と検索すると、もっと万人受けしそうなものを「〜ではありませんか?」とオススメされる。分かるけど、違うYO!

「SES Tokyo」と検索

なお、SES Tokyo の開催日は当初、今年10月28日・29日とアナウンスされていたが、日本向けページの記述が「日程は近日発表」と変更され、本家SES のEvent Calendar からもTokyo が落ちている。事情は聞いているが、職務上知り得た内容になるためここには書かない。Web で確認できる内容から推察いただきたい。

#本件、MarkeZine Day 2008 の会場で何度も聞かれたので。

*関連するエントリー:

2008/09/04

検索とエコと広告

検索をめぐるあれこれを考えるのにちょうどよい事例が見つかったので、つらつらと書いてみよう。「欧州の視点」の「グリーン検索あれこれ」というエントリーから。
検索でエコ活動に貢献しようというドイツベースのNPO、Forestle.org のグリーン検索が、開始後まもなく行き詰っている。

Googleの検索サービスを利用して、ユーザーによるスポンサーリンクのクリックから得た収益を熱帯雨林維持活動にあてようというサービス。 Forestleで1回検索すると、0.1平方メートルの熱帯雨林を救うとあり、現在29273.2平方メートルを救ったとサイトに書かれているが、 Googleが「人工的にスポンサーリンクをクリックさせることを奨励している」として提携を解消したようだ。
これはGoogle の対応が正しい。検索1回あたりの広告収益を事前に確定させることはできないため、「1回検索すると、0.1平方メートルの熱帯雨林を救う」というようにうたうことは本来、望ましいこととはいえない(ざっくり見積もることはもちろんできるが)。

この数字を目標どおりに達成するためには、必要額が得られなかったときの広告以外の収益による補填の方法をあらかじめ定めるか、もしくは広告のクリックを(明示的であれ暗示的であれ)促すしかないわけで。この場合、同じようなモデルの「緑のgoo 」がとったように、「収益のうち決まった割合を寄付」といった形が無理のないやり方だといえる。

ちなみに現在、実際にForestle で検索してみると、以下のような凄まじいメッセージが表示される。ひどいねこりゃ。



Forestle が当面の代替としてすすめている「Znout」がまたなんというか……環境に配慮したサーバーを利用している、などはよいのだが、デザインテンプレートが同一で手抜き感がただようのに加え、「Our black background lets you save up to 30% energy while searching the web. (黒の背景色により、検索時のエネルギー消費を30%削減できます)」というのはいかがなものか。大元の検索エンジンがWeb をクロールしてインデックスし、検索のリクエストにこたえるまでの、すべてのプロセスにおいて消費されているエネルギーの総量から見たときに、それはどのくらいのモノなのか。狭いなあ。



#背景色を黒に、というのはBlackle のアイデアだったと記憶しているが、それも登場時にその有効性について激しい議論があったような。

ちなみにご本尊のGoogle では、Google.org の中で再生可能エネルギーの研究を進めている。レイヤーがいくつも下のところから解決策を探しにゆくGoogle の姿勢には驚かされることが多いが、これもそのひとつ。ものごとの進め方については強引なところが気になり、同意しかねることも多いが、このエネルギーに関する取り組みについては素直に賞賛してよいのではないか。

*その他、本件と直接関係しないが示唆に富む記事:
 Greenseng:グリーンな検索エンジンは、実際に省エネ効果がある (TechCrunch)


検索をめぐるエコシステム(生態系)

ついでなのでちょっとマジメな話。広告配信プラットフォームとしてのGoogle(や同業他社)の役割は「インターネットユーザーと広告主を適切に結びつけること」であり、関係者は以下のように整理できる。

インターネットユーザー
↑↓
広告掲載サイト
↑↓
Google(広告配信プラットフォーム)
↑↓
広告代理店
↑↓
広告主


広告代理店を通さず直接出稿することも可能であり、またGoogle において検索が発生した際には広告掲載サイト=Google となるが、ここでは分けてある。

ポイントは、いわゆる検索連動型広告をめぐってこれだけの利害関係者が存在し、広告配信プラットフォームを仲立ちにしてつながっている、という点にある。従って特定のプレイヤー、例えば広告主だけがメリットを享受するような運営をしたのでは、この生態系の中で他者が圧迫されることになり、ひいてはエコシステム全体が存続の危機に瀕しかねない。

これは広告掲載サイトについても同様であり、今回のForestle のふるまいはこの全体像を理解していないがために発生したものと推測される。