2007/10/23

外部リンク系SEO スパムの話

まずはGJ (Google Japan ではなくてGood Job )といってよいだろう。Web 屋のネタ帳による「有料リンクは是か非か?黒にんにくネットとアイオイクス社とGMO」。旧 忍者システムズ(現 サムライファクトリー)の専売特許と思われがちな「アクセス解析ツールの無料配布による外部リンクの大量獲得」というスパム手法の日本における開祖については、歴史に残す必要があるだろうと私も思っていたところだった。



*なお、当該エントリー(↑)に対して配信されたGoogle アドワーズ広告のコンテンツターゲットが「rank6 からの直リンク seo効果抜群!」なのは、なかなかブラックで笑えると思うがどうか。

当該のSEO スパム手法は遅くとも2003年には始まっていたと記憶しており、業界的には以前からよく知られていた手法ではあるが、公の場では確かにあまり指摘されてこなかった(手前みそだが、『 「低価格版SEO」って、まったくもう……』もご参照を)。ツールを用いた同様の手法として、旧 E×マーケティング(一部伏字)が掲示板のcgi を無料で配布し、バナーに見せかけてalt 属性にキーワードを含んだクライアントサイトへの直リンクを設置する、という手法を取っていたのも思い出される。

まあ、外部リンクに関して完全にシロと言い切れるSEO 会社は現存しないのでは、と正直なところ思わなくもない。ネタ帳のwatanabe 氏が最後におすすめしている会社にしても、リリース配信サービスを外部リンク獲得の手段として売り出す始末だし。ただ、同じグレーでも、限りなくクロに近いダークグレーから、多少の後ろ暗さがある程度の軽い灰色まで、実態はさまざま。クライアントにリスクも含めて説明しているかどうか、善意の第三者を巻き込んでいないかどうか、というのは判定基準のひとつだろう。

この話、先般予告してそのままになっている「ネットクラゲ掃討」につながるものであり、今後もう少し書いてみる予定。

*関連するエントリー:

2007/10/08

SEO スパムですらない

#久々の更新がSEO スパム関連というのはいかがなものか、と自分でも思いつつ……

検索エンジンで「銀のさら」と検索してみよう(探しているのはペットフードではなくて宅配寿司のほうだ。念のため)。検索結果の1位はYahoo! でもGoogle でも「www.ginsara.jp」。クリックすると(回線速度やブラウザの描画性能にもよるだろうが)、妙な文字列が一瞬表示され、すぐに「http://www.ginsara.jp/index.htm」にリダイレクトされる。ヘンだなと思い、Firefox でURL 欄に「viewsource:http://www.ginsara.jp」と入力してみる。出てきたソースがこれ:

SEO スパム失敗画面

……やれやれ(村上春樹風)。また悪質業者にだまされてSEO スパムの片棒を担がされたのだろうか(容疑者:ttp://www.seoaxis.com/ )。このソースをもとに、一瞬表示される画面を再現してみた:

SEOスパム失敗ソースコード

宅配寿司を求めてクリックした検索ユーザーに対してこんな画面を表示していては、せっかく指名買いで来訪してきた見込み顧客なのに、怖くて注文する気がなくなってしまうのではないか。

ちなみにこのページ、リダイレクトにmeta タグのrefresh を使っている。
<meta http-equiv="REFRESH" content="0;URL=http://www.ginsara.jp/index.htm">
筆者が理解しているかぎり、meta タグでの0秒リダイレクトは恒久的移転(301)と同様に取り扱われ、リダイレクト先のページがインデックスされるとともに、リダイレクト元のURL に対するリンクも引き継ぐのではなかったか(参考:Yahoo! 検索ヘルプ)。つまり、SEO(スパム)としての役割も果たせず、顧客のビジネスに害を与えて終了、ということだ。


【補足】
時おり、本Blog に「SEO スパム」で検索して来訪される方があるので、関連するエントリーを以下にまとめておく: